今回紹介するのはこちらの本! 頭のヘルメットは恋愛が戦場であることを表している(?)
「東大生だって恋バナくらいする」
ということは賢明な読者のみなさま及び東大に入学したみなさまであれば既に「そりゃそうだろ」というレベルの事実でしかないでしょう(筆者は以前「東大生でも恋愛に興味あるんですね!」と言われ返答に困ったことがある)。
さて、恋バナにつきものなのが「恋愛相談」です。
好きな子がいるがアタックできないとか今いる彼氏とうまく別れるにはどうしたらよいかとかそもそも彼女ができないとか・・・相談のネタには事欠かないのが大学のキャンパスという場所ではないでしょうか。
たしかに恋愛相談をするとスッキリしたり参考になる意見をもらったりします。ただ…時にはうまくいかない恋愛相談もあります。
たとえば恋愛経験豊富な友人が「絶対こうしたほうがいいよ!」とアドバイスをくれるんだけど、どうしても『決めつけ』られている感が拭えずしっくりこないなあと感じていたり。
たとえば親切にも恋バナをひたすら聞いてくれるからひたすら話して気持ちは落ち着いてくるんだけど、『共感されるだけ』で結局なにが問題なのかはわからないままだったり。
あるいは所属コミュニティでの恋愛だから親しい人になかなか相談できない、なんてこともあるかもしれません。
じゃあそんなときはどうしたらいいの………??
ズバリ
プロに相談しましょう!
「プロ…?」「カウンセラーかなにかかな?」とお思いになる方が多いのではないかと思いますが、違います。
実は「恋愛相談」のエキスパートというものが世の中には存在するのです!!
・・・というわけで前フリが長くなりましたが今回は恋愛相談のエキスパート集団である桃山商事さんの『生き抜くための恋愛相談』の読書案内(ブックガイド)をさせていただきたいと思います。
著者である「桃山商事」は実は(?)個人名ではなく、ユニット名で、主に女性からの恋愛相談を受けている「恋バナ収集ユニット」なんだそうです。
これまで16年間の活動のうちに相談を受けてきた人数はなんと1000人超! 本書はその恋愛相談の中から選りすぐって19本の相談を扱っているようです。
しかし本書を開くとまず目に飛び込んでくるのが「ズバッと言わない恋愛相談」という文言。ズバッと言った方がいいんじゃないかな…という疑念がわきます。
とりあえずパラパラっと読んでみた印象ですが
回答文が長い
という一言に尽きます。
というかそれもそのはずで、223ページある書籍で扱っている相談が19本ということは目次等考慮しても1本平均10ページは割いているわけです。
筆者のイメージだと恋愛相談といえば(というか人生相談と言えば)新聞のいちコーナーの限られた紙幅のなかで相談者の悩みに対してエライ人がバサッと一刀両断する、という1000字いくかいかないくらいのものです。
それが10ページとなるとただごとではありません。1本の相談に対してそんなに書くことあるのか…?
それがあるんですね〜。
すなわちどういうことか?
各所に登場する図解。かつてここまで図で示す相談回答があったろうか。
読み始めてすぐに気付くことですが、本書の随所に上の画像のような図解が登場します。
この図がどんな役割を果たしているかと言えば、「相談内容の実態を明らかにする」という重要な役割があるのです。
そう、本書の回答文の異様なまでの長さは、まず相談者の”現在地”を明らかにしたうえで具体的な回答にはいる、という手続きを踏むために必然的なものなのです。
ここでひとつ実際の相談の例を簡単に紹介しましょう。
恋愛相談の目次の一部。あなたの気になる話題もあるのでは…!?
” 相談者の美樹さんには片思い中の男性がいるのですが、彼へその想いを告げた所
「セフレからならいいよ(笑)」
という返答が。最初はそれは冗談だと受け止めていたけれども、段々本気でそう思っているんじゃないかという言動が増えてきている。
いっそ割り切ってセックスありの友だちになったほうがいいか、キッパリ断ったほうがいいか悩んでいる…。 ”(※筆者要約)
という切実なお悩み。
桃山商事さんはこれに対して「割り切る」とはどういうことか、という観点で現状を整理していきます(その整理の鮮やかさだけでも一読の価値ありです)。
その回答文の中で筆者の心に強く残った一節が
「そのようにわからないことに拘泥し続けるよりも、わかることに焦点を充てていくほうが建設的です」
あるいは別所にはこう書かれています。
「我々が推奨したいのは、「わからないこと」から「わかること」へと視点を切り替えることです。今の状況で「わかること」は、「事実」と「美里さんの気持ち」のみです。」(※下線部筆者)
目からうろこが落ちました。
「わかること」は「事実」と「自分の気持ち」だけで、「相手の気持ち」はどこまでいっても推測の域を出ない…。
当たり前のことですが、恋愛に悩むとどうしても相手の気持ちがどうなのかを考えて考えて答えの出ない問いに苦しみがちです。
しかしわからないことに拘泥し続けると、徐々に自分で能動的に動くということができなくなってしまう…。そうなると最悪受け身になってズルズル引き込まれてしまうかも…。
桃山商事さんの相談回答には一貫して自分で能動的に動くことの重要性が説かれています。能動的に動くことがその時の恋愛のみならずその先の恋愛においても重要になってくるから、というメッセージなのだと思われます。
この意味で、ここで提示される恋愛に対する取り組み方はその先の恋愛にも、ひいては人生の難題に対しても効力を発揮する「考え方の武器」になる、ということではないでしょうか。
このように桃山商事さんの相談回答は冒頭の『決めつけ』や『共感されるだけ』の回答とは一線を画する恋愛相談なのです。
そんな恋愛相談のエキスパートである桃山商事の代表である清田隆之氏が、なんと2017年東大駒場祭に来場してLIVEで東大生の恋愛相談に乗ってくださいます!!
当日は他に哲学者の國分功一郎氏やAV監督の二村ヒトシ氏も登壇予定で、豪華ゲストたちが恋も愛も人生も、とかく悩める東大生に自分の”現在地”を教えてくれるような回答をくださいます!
その相談が自分自身のものではなくても、境遇の近い東大生の誰かの悩みはきっとあなたの周りの誰かや、あるいはあなた自身にもどこか通じるところがきっとあるはず!
駒場祭「こじらせ東大生の恋愛相談会」は11/24(金)KOMCEE WEST K303 で10:00より開始、恋愛相談は午後の部の13:00~を予定しております。
こんな豪華なメンバーが東大生の恋愛相談に答えてくれる機会はもう二度とこない!!
恋に悩める東大生も東大生の恋愛事情を覗いてみたい方も、当日はぜひ足を運んでみて下さい。
出典:桃山商事の『生き抜くための恋愛相談』